トピックス

旅公協第11-058号
平成24年1月12日
旅行業公正取引協議会
会長  古木 康太郎

「テレビ・ラジオ広告」及び「パーシャル・オーシャンビュー表示」並びに
「景品類として提供する航空券の景品類の価額」に 関する今後の運用について(通知)

標記の件について、以下のとおり表示規約又は景品規約を運用することとしましたので、 今後、作成する広告表示又は企画する景品提供については、これにより行うよう通知します。

2014年6月26日 募集型企画旅行の表示に関する公正競争規約、同施行規則及び運用基準の一部変更について
平成24年1月12日付発信の会長通知(旅公協第11-058号)の第1「テレビ・ラジオ広告」及び第2「『パーシャルオーシャンビュー』等の表示について」は、この度の変更に伴い、廃止する。

第1  テレビ・ラジオ広告

1. 問題点

表示規約では、表示媒体を区別して取り扱っていないことから、「特定の募集型企画旅行について、価格を表示して、旅行契約の締結を一般消費者に対して誘引する広告その他の表示」(規約第4条(7))であれば、テレビやラジオでの広告であっても、募集広告としての必要な事項を表示する必要がある。実際、テレビやラジオの番組(テレビショッピング等)の中では、相当の時間を費やすことにより、これらの事項を説明ないし表示することも可能であり、これにより契約の締結を誘因することもできるが、一方で、15秒又は30秒程度でテレビ又はラジオで放送するCM(以下「CM」という。)については、仮に募集広告として必要な表示事項を瞬間的に表示したとしても視聴者にその内容を十分に認識させることが現実的には困難と思われ、ひいてはトラブル発生のおそれがあることから、どのようなCMであれば問題とならないのか明確にしてほしいとの問い合わせが会員や放送局などからきている。

2. 今後の運用

今後、特定の募集型企画旅行の広告であって、旅行代金の表示がされているが、当該広告において旅行契約の申込みを受け付けるものでないことが明りょうなものは、募集広告とみなさないものとする。
例えば、

申込み先の住所又は電話番号等が表示されていないもの(単に「告知広告」と表示するものを含む。)
単に問い合わせや資料請求を求めるもの(この場合、「問合せ先・・・」、「資料請求先・・・」等と表示すること。)
単に詳しい情報はウェブで閲覧することを求めるもの(この場合、「詳しい情報はウェブで」等と表示すること。)

なお、上記広告をする場合は、次の各号に定めるところにより表示しなければならない。

(1)
旅行代金の最低額を表示するときは、併せて最高額も同じ方法で表示すること。
なお、テレビCMにおいて、文字表示では上記表示をしながら、音声表示において最低額のみの表示をしてはならない。
(2)
海外旅行の場合、旅行代金に燃油サーチャージを含むか否かを表示すること。
今後、資料請求広告及び予告広告においては、紙媒体についても、海外旅行であって、旅行代金の表示をするときは当該表示をするものとする。

第2  「パーシャルオーシャンビュー」等の表示について

1. 問題点

表示規約では、客室からの景観としての「海の見える(オーシャンビュー)」との表示については、「対象物である海・・・が客室の窓側(ベランダは含まない。)から視界のかなりの部分を占め、その景観を特色付けている場合をいい、その客室を利用しようとする場合に表示できる」としている。また、「海に面した(オーシャンフロント)」との表示については、「海辺に位置し、正面に海を眺めることができる客室を利用する場合」に表示できるとしている。【施行規則第5条(2)ウ、運用基準2(25)】

ところが、近年、主にハワイ、グアム方面(国内においては沖縄方面)の旅行商品を中心に「パーシャル・オーシャンビュー」や「バルコニー・オーシャンビュー」といった表示が散見されるようになっているが、企画実施会社の定義付けや説明が以下のように異なったものとなっている。

【A社】:客室から海の一部が見える
【B社】: 客室の窓際から海の一部が見える
【C社】: テラスもしくはお部屋から海の一部が見える
【D社】: ラナイに出ると海が見える
【E社】: バルコニーから海の一部が見える

2. 今後の運用

同じ言葉でありながら異なった定義付けや説明がなされると、分かりにくいことや一般消費者が誤認するおそれがあることから、今後「パーシャル・オーシャンビュー」等と表示する場合は、 以下の表示例の主旨によるものとし、当該広告において「パーシャル・オーシャンビュー」等と表示した同一視野にその意味を明りょうに表示することとする。

■ 客室の窓側から海の一部が見える場合

=表示例1=
【パーシャル・オーシャンビュールーム】
※ 客室の窓側から海の一部が見えるお部屋

■ 客室の窓側からは海が見えないが、ラナイ(又はバルコニー)から海が見える場合

=表示例2=
【パーシャル・オーシャンビュールーム】
※ 客室の窓側からは海が見えませんが、ラナイ(又はバルコニー)から海が見えるお部屋

なお、ラナイやベランダから身を乗り出したりしないと海が見えない、あるいは建物と建物の間から海が少し見えるというような場合は、「パーシャル・オーシャンビュー」との表示をしてはならない。

また、「ラナイ又は客室の窓側から・・・」という表示をしてはならない。

第3  航空券を提供する場合の景品の価額について

1. 問題点

現行の「景品規約」では、景品類の価額の算定等について、「景品類の提供に係る取引の相手方が、当該商品、サービスを通常購入する場合の価格により行う。」としているが、航空券を提供する場合の景品の価額については、従来から国内航空券は普通運賃、国際航空券はIATAペックス運賃のそれぞれの額をもって景品の価額とするとしている。
しかしながら、国内航空券については早割など各種割引制度が一般的に利用されるようになっており、また、国際航空券については規制緩和の流れの中で航空会社により購入期限や取消等の条件に応じて様々な種類の正規の割引制度(キャリア・ペックス運賃)が一般的に利用されるようになってきている一方で、IATAペックス運賃は、方面によっては制度上残っているものの、事実上廃止されている。

さらに昨今、羽田空港の国際化やオープンスカイ政策等に伴い、外国航空会社の日本乗入れ伸張が著しい中、いわゆるLCC(LOW COST CARRIER〔格安航空会社〕)の参入により、従来の運賃体系からは想定できない低価格の運賃も積極的に導入され、従来では不可能であったデスティネーションへの航空券の景品提供が可能な条件が生まれている。

2. 今後の運用

今後、景品として提供する国内・国際航空券であって、一般消費者が直接航空会社から実際に購入可能な航空券については、当該航空会社名及び当該航空券についての制限事項(発券期限、搭乗可能日、 その他の制限条件)を明示した場合、当該航空券の価格を景品の価額とする。

なお、航空会社名及び制限事項を明示しない場合は、一般消費者が実際に購入可能な航空券のうち最も高額なものを景品の価額とする。

また、国際航空券を景品とする場合において、当該航空券に燃油サーチャージが含まれないときは、燃油サーチャージが当選者の負担となる旨を明りょうに表示すること。
燃油サーチャージについて、当選者が負担する旨を明りょうに表示していない場合は、当該航空券は燃油サーチャージを含むものとし、燃油サーチャージを含んだ額を景品の価額とする。

【表示例―1】

キャンペーン期間中に5,000円以上のツアーをお申込みの方の中から抽選で5組10名様に≪東京―札幌≫往復航空券をプレゼント!
※航空券は○○航空の「△△割引」航空券となります。利用に当たっては下記の制限があります。

航空会社名及び制限内容

【表示例―2】:国際航空券で燃油サーチャージを当選者が負担する場合

キャンペーン期間中に5,000円以上のツアーをお申込みの方の中から抽選で5名様に≪東京―ソウル≫往復航空券をプレゼント!
※航空券は◆◆航空の「□□割引」航空券となります。利用に当たっては下記の制限があります。なお、燃油サーチャージ××円は、ご当選者のご負担となります。

航空会社名及び制限内容

以上