旅公協第08-036号
平成20年6月27日
会員社代表者殿
旅行業公正取引協議会
事務局長 斉藤 文男
旅行代金表示に関する規約の運用(通知)
Ⅰ 趣 旨
旅行代金は、消費者が旅行商品を選択する上での最も重要な情報の一つであり、誤認のないよう明りょうに表示することが重要であります。
しかし、最近の旅行広告における旅行代金表示には誤認を招きかねない表示が見受けられます。よって、下記の内容で規約を運用し旅行代金表示の適正化を図りたく通知申し上 げますので、関係箇所・担当者へ周知徹底をお願い申し上げます。
Ⅱ 規約の運用の内容
1 旅行者が旅行業者に支払うべき対価の呼称
対価の呼称は「旅行代金」とすることと規約に定められているが(唯一、TDR
・ USJ等に関して「基本代金」という用語の使用が認められている。)、近頃AIR(JR)+ホテルで構成されているいわゆるビジネスパックと称される募集型企画旅行等で、旅行代金に関して「基本旅行代金」「総旅行代金」「基本パンフレット代金」等の用語が使用されている。
【適用法条】
施行規則第6条第1号ア:対価は「旅行代金」と表示すること。
運用基準1-(31): | TDR、USJ等複数の入場料金が設定されている観光施設の場合、入場料金以外の旅行に要する費用を基本代金とし別に表示した入場料金表から旅行者が選択した入場料金を加算した額を旅行代金と表示することが出来る。 |
『規約の運用』
AIR(JR)+ホテルで構成されているいわゆるビジネスパックと称するような募集型企画旅行において、基本プランの対価を「基本代金」とし、別に表示したAIR(JR)やホテルの割増代金表(追加代金表)から旅行者が選択した割増代金(追加代金)を加算した額を「旅行代金」と表示することが出来る。「基本旅行代金」「総旅行代金」「基本パンフレット代金」等の表示は出来ない。
□ 表示例 基本代金+フライト割増代金(追加代金)+ホテル割増代金(追加代金)=旅行代金 |
2 宿泊施設や運送機関の割増が設定されている場合の旅行代金表示
利用する客室の人員数や運送機関の等級・時間帯によって割増代金が必要な場合はそれぞれの旅行条件毎の旅行代金がわかるように表示することと規定されている。そして、現在は殆どがそれらの割増代金は旅行代金一覧表(マトリックス)とは別に独立して表示されており、かつ、同一広告内ではあるが離れた場所に表示されている例も多い。この方式では、消費者は自分の望む旅行条件の分の旅行代金を知るためにはそれぞれの割増代金を加えて計算しなければならないのであり、そのためにも明りょうかつ誤認のないように配慮すべきである。
【適用法条】
施行規則第22条2項
施行規則第6条第1号イ: | 旅行代金は、コースごとに明りょうに表示すること。 | |
〃ウ: | 旅行開始日、利用する運送機関の等級、割引制度、設備、客室の種類や利用人員等の旅行条件により旅行代金が異なるものについては、それぞれの旅行条件毎の旅行代金がわかるように表示すること。 |
『規約の運用』
利用する客室の人員数や運送機関の等級・時間帯によって割増代金が必要な場合は、その旨と金額を旅行代金一覧表の直近に消費者が明りょうに認識出来る見やすい大きさで表示すること。
□ 表示例:別添 |
3 新たな規約の運用ではないが、割増代金が必要とされる旅行商品の広告において、次の2点に係わる違反被擬事案が目につくようになりました。日帰り・1泊2日等のバスツアーやビジネスパック等にある可能性が高いので、会員各社には自社の該当商品のチェックをしていただくよう要請します。
(1) | 旅行開始日によって割増の代金が必要な場合は、当該商品の旅行代金にはそれらの最高額を加算した最高旅行代金が存在するわけであるから、それらを加算しない最低旅行代金だけの表示は出来ない。 |
「例」 「旅行代金 5,000円」と表示し、さらに「○印の出発日は500円増・△印の出発日は1,000円増」などと表示してある広告があるが、この場合は「旅行代金5,000円」ではなく「旅行代金5,000円~6,000円」と表示しなければならない。 |
(2) | 旅行条件を設定してその旅行条件における「最低旅行代金~最高旅行代金」を表示する場合において、利用する客室の人員数や運送機関の等級・時間帯によって割増代金が必要な場合は、割増のない最高旅行代金にそれらの割増代金の最高額を加算するか、あるいは、設定する旅行条件から割増の必要な条件を除く必要がある。 |
「例」 いわゆるビジネスパックと称される商品において、航空機の利用便を「基本フライト」又は「基本便」等と呼称して条件設定した場合であって、当該商品設定期間中に「基本フライト」であっても割増代金の必要な出発日がある場合は、その割増額を加算して「最低旅行代金~最高旅行代金」の表示をしなければならない。 |
以上 |