旅行協概要OUTLINE

会長挨拶

旅行業公正取引協議会 会長 小谷野 悦光

新年あけましておめでとうございます。当協議会設立40周年、昭和の年号で数えると100年という節目の年を迎えるに当たりご挨拶申し上げます。
 会員の皆様には平素より当協議会の事業活動及ぴ公正競争規約の適正運用にご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 海外旅行での過大景品、海外の観光地に関する不当表示をきっかけとして、旅行業界が自主規制ルールである景品規約(1984年10月)及び表示規約(1992年5月)を設定してから早や40年となります。この間、両規約の普及・啓発活動とともに違反行為の厳正な対処により、一般消費者による自主的でかつ合理的な旅行商品の選択に大きく寄与しているものと考えております。歴代会長をはじめ理事、専門委員など先人たちのご尽力に対して改めて感謝の意を表したいと思います。
 「40年・40歳」を人に例えると、論語では「不惑の年=迷うことがない年齢」に達したということになりますし、会社組織の中では中堅から管理職になるまさに油の乗り切った、組織を引っ張っていく中心的な年代でもあります。また、今年の干支は「乙巳(きのとみ)」であり、「努力を積み重ね、物事を安定させていく」という意味合いがあり、まさしく設立40周年に相応しい年といっても過言ではないかと思います。
 さて、この機会に過去10年間を振り返ってみますと、世界的には2020年から約3年間にわたって猛威をふるった新型コロナの流行が挙げられるでしょう。国内では2016年4月の熊本地震、昨年1月の能登半島地震の他、毎年のように続く豪雨災害などの自然災害が相次ぎました。これらの事象は、いずれも我が旅行業界にも多大な影響を及ぼしたものとして記憶に残ることでしょう。
 旅行業界に目を転じてみれば、IT技術の発展により新幹線・航空チケットやホテルの手配が直接あるいはOTAを通じて購入することが可能となり、また、AIの普及によりお勧めの観光地や観光ルートまでも旅行会社を通さずにできるようになり、旅行会社の立ち位置が変化してきております。これらの変化は、従来のパンフレットなどの紙媒体からウェブ広告表示の在り方について対応が必要となってくる場面もあるでしょう。
 当協議会におきましては、これまでの40年間の長きにわたり培ってきた知見や経験を生かして、これまで以上に規約の周知活動、違反行為の未然防止を図るとともに、旅行業界を取り巻く環境変化に迅速に対応した規約の見直しに取り組み、一般消費者の更なる信頼を獲得するための諸活動に邁進してまいります。
 本記念号においては、これまでの40年のあゆみ、数字で見る旅公協の10年のほか、専門委員経験者の方々の寄稿などを掲載しております。これまでの振り返りとともに、今後の協議会運営の在り方に思いを寄せていただければ幸いです。
 最後になりますが、設立40周年記念企画として40周年記念ロゴ・ノベルティを作成し、年間を通じた広報活動キャンペーンを展開するなど、様々な機会、媒体を通じた公正マーク・ロゴマークの認知度向上を図ってまいります。会員の皆様の更なるご支援とご協力をいただきますようお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。