旅行業公正取引協議会 会長 小谷野 悦光

2026年を迎えるにあたり謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
旧年中は、当協議会の活動に対し、会員の皆様方をはじめ、関係各位から多大なるご理解とご支援を賜りましたことを心より厚く御礼申し上げます。
昨年を振り返りますと、観光業界にとってのトピックとしては、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとした大阪・関西万博の開催が挙げられます。1970年の大阪万博開催以来55年ぶりの開催で、開催前はパビリオン建設の遅れや入場チケット登録の煩雑さなどネガティブな声もありましたが、新語・流行語のトップ10に公式マスコットのミャクミャクが選ばれるなど、結果としては成功裏に終了したと言えるでしょう。
当協議会では設立40周年という節目の年にあたり、ツーリズムエキスポ会場の最寄り駅でのデジタルサイネージや那覇空港でのイベントなどを通じて、公正マーク・ロゴのPRなどを積極的に行い、認知度の向上を図りました。
他方、旅行業界にとって大きな変化と挑戦の一年でありました。世界的な移動需要の回復が進む一方で、消費者の価値観や旅行スタイルは多様化し、オンライン取引やSNSを通じた情報発信の影響力が急速に高まっております。IT技術の進展に伴い、消費者が多様な情報を得やすくなった半面、インターネット上に氾濫する旅行広告の中には、不当表示や誤認を招く表現が存在していることも否定できません。当協議会では、こうした環境変化に対応すべく、「公正な取引環境の確立」という使命の下、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害することがない旅行広告を目指して、公正競争規約の周知徹底、広告表示の適正化、そしてステルスマーケティング防止に関する新たな規約整備など、業界の信頼性向上に向けた取り組みを進めてまいりました。
また、会員各社の皆様が日々の業務で直面する課題に迅速かつ的確に対応できるよう、相談窓口の拡充や研修会の開催、最新事例の共有など、実務面でのサポート体制も強化いたしました。これらの活動は、消費者保護と業界健全化の両立を目指す当協議会の根幹であり、今後とも継続的に推進してまいります。
日本生産性本部が昨年10月に発表した「レジャー白書2025」によれば、余暇活動参加率では、「国内観光旅行」が3年連続1位となっており、消費者の旅行に対する希望・期待が如実に現れているものと思われます。こうした消費者の期待を裏切らないような諸施策を展開することも重要であると考えているところです。
本年は、デジタル化のさらなる進展や国際的な旅行需要の変動に対応するため、規約やガイドラインの見直しを行い、時代に即したルール作りを進めてまいります。また、規約の周知、コンプライアンス遵守のための新たな試みも検討してまいります。会員の皆様、そして業界に関わる全ての方々と共に、信頼と誇りを持てる旅行業界を築くべく、役員・事務局一同、全力で取り組む所存です。どうか本年も変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
皆様のご健勝とご多幸、そして事業のさらなるご発展を心より祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。